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原発は温室効果ガスの削減には貢献しない

2000年4月6日
WWF原子力ペーパー

「気候変動と原子力」(要約)
 
今世紀末までに、原子力エネルギーは地球規模で拡大するであろうという見通しは、今やまったく裏切られている。 1999年末現在、32ヵ国で436基の原発が運転されているが、 これは1974年のIAEA(国際原子力機構)予測の8%にすぎない。また世界の原子力発電の70%がアメリカ、フランス、日本、ドイツ、ロシアの5ヵ国に集中していて、地球規模からは程遠い。プルトニウムを燃料とする高速増殖炉も、フランスのスーパーフェニックス級のものが全世界で540基運転されると予測されていたが、 現在世界を見渡しても、一基も商業運転されているものはない。一次エネルギーに占める原子力の割合は、 1998年で7%にすぎず、石油(40%)、石炭(26%)、天然ガス(24%)にはるかに及ばない。転換効率の点でも、コージェネレーション(廃熱利用)が70?90%に対し、原子力はせいぜい30%である。

原子力の将来は暗い。2000年現在、欧米では計画・建設中の原発は一基もない。アジアでは日本、韓国、中国、台湾で17基あるが、経済不況の影響で、完成の見込みのないものも多い。 欧米だけ見れば、稼働中の原発の数は1989年の294基を頂点に下降しており、世界規模で見ても、1999年初めて前年度よりも減少した。この流れを変えるために、 原子力産業は「気候変動問題」に賭けている。「CO2を排出しない原発」を気候変動対策の中心に置き、原子力産業の復活を狙っているが、その見込みはどう見てもない。以下はこの報告書が明らかにしている点である。

1)原発も温室効果ガスを排出する。原発のライフサイクル分析をみると、原子力発電も間接的に温室効果ガスの排出をもたらす。これはウラン濃縮技術の膨大なエネルギー消費によるもので、原子力産業もそれは認めている。電力と熱供給を合わせて考えると、その排出量は、天然ガス火力発電とそう変わらない。バイオガス火力発電に比べると、7倍ほど多い。

2)原子力への依存度が高い国ほど、需要側の効率性改善努力をしない。原発が費用効果的なのはベースロード電力を供給し続けているときである。それゆえ、原発大国は、例えば夜間のように電力需要の少ない状態を平準化しようとして、電気室内暖房など(日本は揚水発電、夜間電力利用温水器、氷畜熱)に、様々な財政的支援を行ない、ますます非効率性の強化に力を入れている。

3)原子力への依存度が高い国ほど、コージェネレーションの導入率は低い。

4)省エネルギーに投資する方が、 CO2排出抑制の面で、原発に投資するよりもコスト効果的である。アメリカでは、発電効率を改善する投資は原発投資の7分の1、フランスでも半分ですむ。世界的に見ても、エネルギー効率を高めるための投資は、原子力への投資に比べて4倍も早く回収できる。

5)長期的に見て、多くのOECD諸国では電力節減の技術的な潜在力があり、アメリカでは消費電力の70%もが節電できるとされている。これには、家庭、工業・商業部門での省エネルギー技術や再生可能な電力、コージェネレーションなどの導入が含まれる。こうした潜在力を切り開くには、原子力からの撤退が必要である。

6)脱原発政策をとっても、温室効果ガス排出量は増えない。ドイツとフランスのように、原発による発電容量を膨大に抱える国の状況を見ると、両国とも設備過剰になっている。ドイツでは、ピーク時需要と全発電設備容量との差が原発の設備容量を上回っているので、計算上は原発がなくなっても問題はないことを示している。フランスの場合は、半分ほどの古い原発35基を即時閉鎖しても、問題はない。さらに再生可能エネルギーの設備容量増大を見込むと、短期的に見ても、脱原発による温室効果ガス排出増大は見込めない。

7)世界銀行でさえ、原発には投資をしない。世界銀行によれば、原子力発電はたとえ運転費用が安くても資本費が高いため、石油・石炭の価格に関係なく、最小コストのエネルギーにはならない。さらに、「原子力発電を取りまく諸々の問題は、経済的費用のみにとどまらない。原子炉の安全性や核廃棄物の処理、核分裂性物質の拡散など複雑な要素が絡むため、炭素のコストのみに問題を絞り込むことはできず、温暖化対策とはならない。」

8)電力の構造改革により、電力供給は小規模分散型へ。電力の自由化の波で、すでにばからしいほど安い価格で売りに出されている原発もある。電力供給はますます小規模分散型になり、維持管理費の高い原発は敬遠される傾向にある。原子力に力を入れてきた大企業も、原子力部門を縮小しつつある。

9)原子力大国は、CO2大量排出国でもある。欧米だけで、世界の原子力の3分の2を占めているが、エネルギー関連CO2排出の点でも世界の40%に相当する。各国別に見ても、アメリカだけでCO2排出の4分の1を占め、世界の原子力発電の30%を発電している。EUはCO2排出は世界の15%、原子力は34%を占める。

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